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ヒマつぶし情報

2023.01.26

【キタコレ!】伊藤桃連載vol.36 52席の至福!非日常感溢れる走るレストラン列車

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多くの人がせわしなく行きかう、年末の西武線池袋駅。

喧噪の中、掲示板には表示されていない電車が7番ホームにやってきました。レッドカーペットが敷かれた入り口に入ると、そこはまさに非日常。まるでホテルのような優雅な空間が広がっていました。

というわけで、今回乗車するのは西武鉄道が誇る“走るレストラン列車”「52席の至福」です。その名前の通り、座席数はたった52席。池袋もしくは西武新宿から秩父を結ぶ観光列車で、季節ごとにかわる有名店シェフによるコース料理が味わえる、とっておきの電車です。昨今、こうした観光列車はずいぶんと増えましたが、そのほとんどが郊外またはローカル線なので、こうして都心から出発する観光列車はかなりレア。

木を基調としたシックな内装は、根津美術館や高輪ゲートウェイ駅で有名な建築デザイナー、隈研吾さんによるもの。客席は2両ありますがそれぞれデザインが違います。

私が乗車したのは、日本の伝統工芸品の柿渋和紙を使用した天井の2号車。

ちなみに、3号車はキッチン車両。

電車内のキッチンですべて仕上げているので出来立ての味をいただけます。

今回は、少し特別な「ちちぶ乾杯共和国」とのコラボをしたランチ便に乗車して、池袋から西武秩父へ行ってまいりました。ちなみに、この「ちちぶ乾杯共和国」とは施設ではなく、酒処・秩父をPRすることの総称。そう、秩父はウイスキーのイチローズ・モルトをはじめ、日本酒・ビール・焼酎さらにワインまで、アルコール5種を生産している酒処なのです。

まずは、秩父麦酒、蜂蜜酒、イチローズ・モルトといったラインナップからサービスの乾杯酒を選びます。

出発は11:26とまだまだお昼時。まずは、蜂蜜酒をチョイスしました。

秩父の蜂蜜を酵母で発酵させて作った蜂蜜酒。

さっぱりとした甘さが飲みやすく、女性も好きな味でした。

そして、お次はふるまい酒。

全国新酒鑑評会の金賞を受賞した選りすぐりの2品がやってきました。秩父錦「無垢」と武甲正宗「大吟醸」です。

あわせて、秩父の発酵食品を使用したおつまみもやってきました。

いやぁ、これは完全にエンジンがかかりますね。すっきりとした飲み心地の無垢に、きりっとした辛さもある大吟醸、どちらも違う味わいでお酒が進みます。

サービスのアルコールはここまでですが、さらに注文することも可能です。そのラインナップも秩父の地酒ばかり。

まずは、「52席の至福」と名前がついている特別なイチローズ・モルトをいただきました。シングル1,300円を炭酸水でわるという、のん兵衛失格の飲み方です。しかし、炭酸割りでもその香り高さと味わいはしっかり感じることができました。

ちなみに、狭山茶などを含むソフトドリンクは飲み放題なのがありがたい。

すっかりエンジンがかかった伊藤、お次は白ワインへ。「源作印GKT白」です。この源作さん、まだワインがメジャーではなかった戦前からワイン造りをされていた方。まだまだメジャーじゃなかったワインの販売に苦労されたそうですが、いちずにワイン造りを続け、1959年にフランス人神父に「ボルドーの味」と称賛されてから日の目をみるようになったとか。ありがたくいただきます。

本日のメインは特製オードブルプレート。キッシュや合鴨ロースハム、牛すね肉の煮込みとお酒にあうアテが並びます。このラインナップできたら、やはり赤でしょう。お次は「秩父ルージュ」で乾杯。

埼玉県にはいり、だんだんと景色ものどかなものへと変わっていきました。

飯能駅の停車時間では、こうして駅員さんたちがお見送りにも来てくれます。ところどころ停車時間を設け、ゆっくりと“至福”の時間を味わいました。

車内にはギャラリースペースや、多目的ホール、バーカウンターもあります。コートなどもアテンダントさんが預かって保管してくれてまさに高級レストランそのまま。

最後にしめには秩父蕎麦をいただき…

デザートは秩父のお酒をつかったジェラートに、秩父のイチゴ。甘いものもまた酒にあう。

約2時間半の旅を終え、あっという間に西部秩父駅に到着してしまいました。

いやぁまだまだ乗っていたかった…そんな思いを抱えつつも、ここからは秩父観光もできるのがこの旅のポイント。あらかじめ自宅に送られてくるチケットには、西武線(多摩線をのぞく)1日フリー切符のほかに、秩父の核施設の優待券や秩父観光の冊子も入っており、スムーズに秩父観光を楽しむことができます。

今回は特別なコースでしたが、通常はランチ10,000円、ディナー15,000円で乗車することができます。

そうそう。飲んだグラスはお土産でいただくこともできましたよ!!

“走るレストラン”「52席の至福」。

非日常を味わいに、お出かけしてみてはいかがでしょうか。

今回の探索人

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